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記憶

 

gama1.jpg年齢のせいにしたくないけど、記憶力が低下している気がします。

人と出会う機会が増加していて、許容範囲を超えてしまっているのかもしれません。

以前見た、”ミッドサマーキャロル ガマ王子VSザリガニ魔人”というお芝居があります。

一見、コメディー調のお芝居かと思いきや、大人のファンタジック物語です。

泣けるというより、嗚咽してしまいました。

舞台は病院です。

大貫(オオヌキ)という傲慢な会社経営者が入院しています。

「お前が私を知っているというだけで腹が立つ」

というのが、彼の口癖です。

同じ病院にパコという少女が入院していて、彼女は交通事故によって昨日の記憶がなくなってしまう障害があります。

大貫はパコに出会って、今まで他人を否定してきた人生から、パコの記憶に自分の存在をとどめさせようとする日々に変わります。

パコは、翌朝になると必ず大貫のことは忘れています。

ただ手を触れると、

「おじちゃん、私以前あったことがある?」と言います。

大貫はそれをきっかけに、パコの記憶障害を回復させようと努力します。

毎日、毎日それを繰り返しています。

パコには、死んだ両親からプレゼントされた絵本があります。

その絵本が、”ガマ王子VSザリガニ魔人”です。

パコはその絵本を毎日、大貫と読み、その内病院内でその絵本をもとに、演劇をすることになります。

病院中の仲間がひとつになって、パコの記憶をよみがえらせるためにです。

観客はパコ1人。

出演者は、病院の先生、看護婦、色々な立場での患者さん達、もちろん大貫もです。

ミッドサマーキャロルの開演です。

小さな病院であった、奇跡を信じたある夏の日のお話です。

この演劇、後藤ひろひと氏の作で、完成度の高い、すばらしいお芝居です。

“パコと魔法の絵本”という題名で映画にもなり、大貫役は役所広司さんでした。

色々の立場で、見る角度は違うと思いますが、何かを信じる、希望は捨てない・・そんな気持ちになるお芝居です。

このお芝居は、ずっと忘れないでいたいです。

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