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大名房五郎

今年はしっかりとした雨が降り、梅雨時らしい年です。

日本の梅雨には風情がありますが、季節を楽しむ国民性がそうさせているのでしょう。

食材で言えば、タコです。

梅雨蛸(つゆだこ)といって、この季節の蛸は旬のモノとされています。

この時期、小料理屋で、何気に蛸料理が出てくると、うれしくなります。

梅雨時の落語といえば、「夢の酒」 という噺があります。

雨のやまない梅雨時に若旦那は昼寝をし、夢の中で見知らぬ美人と浮気をしますが、途中女房に起こされます。

夢の内容を聞いた女房は怒り、義父である旦那に、「二度と亭主に手を出さないように意見を言いに行ってください。」 と訴えます。

そうして義父は、その女に会いに夢の中へ・・というナンセンスな噺です。

あと 「大名房五郎」 という噺。

大工・房五郎は、茶室を作らせたら右に出る者がいない腕の持ち主です。

また書画骨董の目利きにも優れ、大名の落し子じゃないかと噂が立ち、”大名房五郎” というあだ名がついています。

十一代将軍家斉の時に大飢饉が起こり、義侠心あふれる房五郎は、貧しい人たちを支援します。

しかし金のない房五郎は、支援するお金を工面するために、亡き母の形見の掛け軸を、茶室普請依頼をしてきた旦那に売ろうとします。

しかしこの旦那、ケチで有名で、人のためにお金を使う事が嫌だと断ります。

あまりにも身勝手な旦那に対して、房五郎は立腹し、あることを仕掛けます。

別件でその旦那を房五郎宅に呼び、形見の掛け軸のかかった部屋へ通します。

季節は梅雨、そのうち雨が降り始め、旦那は厠(かわや・・トイレ)に席を立って、戻った時に掛け軸を見てびっくりします。

掛け軸に描かれている、とじた傘を手に持った人が、傘をさしていたのです。

・・・これはすごい。雨が降ったら絵が変わるなんて。・・・

転売すれば儲かると思った旦那はどうしても売ってほしいとせがみ、房五郎は200両のお金で譲ります。

さらに後日、実は、この掛け軸は旦那が厠へ行った時にすり替え、200両のお金で米を買って貧しい人に施した事を房五郎は旦那に話します。

「あんまり旦那が欲深いから、あなたの金を食い物にしました。」 というオチ。

この噺、今の季節、そして今のニッポンに、相通ずるところがあると思いませんか?

コメント一覧

  1. 河北泰三 より:

    コメントありがとうございます。
    朝からのお仕事お疲れさまです。
    ホント今日は暑かったですね。
    明日は、雨が降る予報ですが、今日よりもっと素敵な1日になりますように・・。

  2. KURATA より:

    こんにちは。
    梅雨時期まで、楽しめるってのは素敵ですね。
    今日は、朝から出勤となりました。
    梅雨時期の晴れの日は、みんな、外へ行きたくなるようです。今日も、暑すぎますが、素敵な一日となりそうですね。
    熱中症などにお気をつけ下さい。

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