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スキッパー

いよいよ12月突入し、あと1カ月で今年も終わりです。

東野圭吾さんの最新作 「マスカレードホテル」 を読んでいるのですが、この物語の舞台は高級ホテルです。

ホテルフェチの私にとって、ホテルの裏側を知ることができ、興味深く読んでいます。

物語の中で ”スキッパー” という業界用語がでてきます。

この”スキッパー”というのは、宿泊代金を支払わずにホテルを出て行ってしまう人のことです。

先に代金をいただければいいのですが、高級ホテルでは基本的に宿泊代金は後払いです。

つまりゲストを信用している姿勢をもっています。

しかし、現にスキッパーが存在することもあり、フロントマンの判断で怪しい人と思われるゲストにはデポジット(保証金)をいただくようにしています。

私もよくチェックインの際、クレジットカードの提示を求められます。

ルールに従ってのことなのですが、いいホテルであればあるほど、デポジットを求められるとあまりいい気がしません。

・・・オレのこと信用していない?・・・

・・・そうです。信用していません・・・

チェックインカウンターをはさんで、私とフロントマンとで暗黙の会話があります。

この小説によると、スキッパーの疑いである判断は違っていました。

派手な人、柄の悪い人、横柄な人はスキッパーの可能性が低く、おとなしい人、目立たない人の方が可能性が高いそうです。

その理由は、スキッパーは常習犯が多く、目立つとホテル間での情報共有により都合が悪くなるからだそうです。

・・・う~ん。なるほど!・・・

「居残り佐平次」という落語があります。

お金もない佐平次は、品川にある遊郭へ遊びに行き、数日間タダ酒を飲み続けます。

そして無一文のことがバレると、フトン部屋に連れて行かれますが、男芸者張りにお客の相手をしては祝儀などをいただくようになります。

そうなってくると店にいる若い衆の取り分が少なくなり、これではよくないと判断した旦那は佐平次に出て行ってもらいますが、飲み食いしたお金も帳消しどころか、お金付き着物付きで出て行ってもらう羽目になります。

それもそのはずで、この佐平次という男、居残りすることが商売だったのです。

先日亡くなった立川談志師匠が得意としていましたが、落語版スキッパーともいえる噺です。

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