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(日本語) 初夏の匂い

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新緑まぶしい季節になり、私は何かと初夏は相性がいいのです。

先日、遅くまで残って仕事し、さて帰ろうと事務所の警備をかけようとするとかかりません。

会社の警備機械を新しくしたので、設定がちゃんとできていなかったのでしょう。

・・・あれだけ「大丈夫か?」と言ったのに・・・警備会社の営業担当者の顔を思い浮かべながら、ついつい愚痴が・・。

警備をかけずに帰るわけにもいかず、警備会社に電話することにしました。

「あのさ、今日工事したからだと思うけど、警備がかからないんだけど?どうしたらいい??」

「了解です!ただちに人をそちらに向かわせます!」と、返事は立派。

時すでに日付が変わっていて、会社外で待つことに・・。

その夜は、初夏の匂いのする陽気で心地よい夜でした。

しばらくすると、若い警備員が登場しましたが、最新の警備機械に慣れておらず、あちこち電話しながら操作するのですが、すぐに解決できません。

私は電話している警備員の後ろで立っていると、警備員の左耳がつぶれているのに気が付きました。

「ええっと、あのぉ~」 そんなことを考えている私を知らずに警備員は必死です。

やっと警備ができるようになった帰り際に、「おつかれさま。あのさ、あなた柔道かレスリングやっていた?」と他愛もない質問をしました。

「レスリングやっていました。」と、警備員。

「ああそうなんだ。」 と答え、『うちの息子もレスリングやっていたんだよ。』ということは遅い時間だったので飲み込み、「じゃあ」と車に向かおうとした時です。

警備員は私を追いかけるように 「あのぉ~、カワキタヨシキくんのお父さんじゃないでしょうか?」と、声をかけてきたのです。

「ん?!何?・・善紀のこと知っている?君は誰?」

「ボクです。小学校時代一緒にレスリングクラブに入っていた○○です!覚えていますか?その時はお世話になりました。」

息子より4歳年上で、レスリングクラブ仲間だったのです。

「おおっ!○○くんか!元気だったか?全然気が付かなかったよ。それにしても立派になったな!」

とてもうれしくなったというか、それは心地よい初夏の匂いのようでした。

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