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(日本語) TOWEL STORY 兄と妹篇

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006.JPGもうすぐクリスマス・・今年も小さなお話をひとつ。

「こっちにきてごらん」

マサトは小さな声でユカに声をかけます。

ユカはジャンパーの上から肩にバスタオルを羽織って施設の屋上にいるマサトの近くにかけ寄りました。

「ほら、すごいだろ。」

見上げると満天の星空です。

マサトは12歳、ユカは8歳。4歳違いの兄妹です。

4年前、両親は交通事故により他界し、それから二人は児童福祉施設に入っています。

「わぁ~。お兄ちゃんきれいだね。」

「おい、そんな大きな声を出すと先生に見つかってしまうじゃないか。今日は流れ星が見れると思うんだ。」

「流れ星見れるかな?・・」

マサトの言葉を繰り返していると、二人の目の前をいくつもの流れ星が・・。

「すごいよお兄ちゃん。流れ星だぁ。」

「よし!流れ星が流れている間に、願い事を言うんだ。」

「うん、わかっている。ユカ、考えてきたんだ。」

「ほら流れた!今だ!」

次から次へと流れ星が二人の頭の上を通過していき、二人は手を合わせながら、星に願いをかけます。

「何てお願いしたんだ。」マサトはユカにききました。

「うん、ユカってお母さんがいないから、ユカの子供にはたくさん甘えさせてやるんだ。お母さんがしてくれたようにこのタオルで体ふいてあげるんだ。そうなりますようにってお願いした。」

「そうだな。そのタオルで いっぱい、いっぱい、ふいてやれ。」

「うん、いっぱい、いっぱい ふいてあげる。」

マサトはユカの面倒を見てきました。

雨が降った時も、いじめられて帰ってきた時も、父母(おや)の残してくれたタオルでいつもユカを包み込み、やさしく頭から拭いてあげていました。

兄妹にとって、このタオルは家族でもあるのです。

「ねぇ、お兄ちゃんは何てお願いしたの?」

「うん・・お父さんとお母さんに見守ってくれるようにお願いした。」

「きっと見守って・・。わぁ~見て、お兄ちゃんすごいよ!」

ユカがそう言い終わらないうちに、星空が一斉に輝き始めたのです。

それはまるで両親がふたりの兄妹をやさしく包むようでした。

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