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(日本語) 北北西に進路をとれ

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「河北さん、帰れないと思うよ。」

ランチをご一緒していた百貨店のバイヤーが言います。

「もし帰れなかったら、もう一度商談しましょうね。」 と、切り返しました。

今回の四国・近畿地方を襲った台風12号は、自転車並のスピードでした。

ということは雨・風ともに一カ所に長く影響が出るという事です。

結果、台風進路の東側に位置する和歌山県や奈良県、三重県に甚大な被害が出ました。

丁度週末東京にいた私は、金曜日に帰る予定でした。

台風情報をその都度チェックし、予約している飛行機が欠航になっていないか確認していました。

台風の勢力もそうですが、進路と速度が気になるところです。

「台風は以前強い勢力を保ちながら、時速10キロのゆっくりとした速度で 北北西に進んでいます。」

・・・北北西に進路をとれ・・・

私の好きなフレーズです。

帰れるか帰れないか、こんな状況にもかかわらず ”北北西” という言葉にニヤッとしてしまいました。

“北北西に進路をとれ” というのは、アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画の題名です。

知人に道をたずねられたりすると、「北北西に進路をとれ!」 と思わず言ってしまいます。

その好きなフレーズを、台風情報で聞くとは思いましませんでしたし、北北西に行ってもらったら困る状況です。

金曜日、たまたま空席のあった最終便から一便前の飛行機に変更し、羽田空港に到着しました。

「天候調査の結果予定通り出発しますが、松山空港に着陸できない場合は羽田空港に戻ってくる事をご承知してください。」

空港職員が何度もアナウンスしています。

「オレって、一度も引き戻しになった事ないんだ。・・だから今回も大丈夫!」

ロビーで待っていると、サラリーマン風の中年男性が部下に対して自慢げに言います。

「私は、3度も引き戻しに遭っています。」 と、横から口をはさむのを呑み込み、いざ搭乗!

風の影響を受けないように、低飛行で旋回しながら無事松山空港に着陸しました。

到着ロビーを出て振り返ると、到着案内ボードには次の最終便は欠航になっていました。

今回の台風12号は日本に大きな爪あとを残しました。

被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

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