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(日本語) 恋の予感

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「ええっ~ ホントに送っちゃたんですかぁ~。」

とある飲み会で、28歳になる草食系男子が恨めしそうに私に言う。

何を送ったのかというと、LINE(ライン)です。

草食系男子は九州出身で、大学を卒業後東証一部上場会社に就職し、1年前に松山に赴任してきて、ウチの会社の担当者になりました。

真面目で愛嬌のある男で、公私ともに可愛がっています。

さらに彼は独身で、彼女を大募集中。

ただこの草食系男子、女子に対して弱気なところがあるというか、自分を大事しすぎるところがある。

もっとわかりやすく言えば、彼女に嫌われたくないので押しの一言が言えないタイプ。

「終電に乗れなかったの。」

婚活パーティで知り合った女の子にデートでそう言われれば、「じゃあ送ってあげるからもう一杯飲みに行こう。」 とか 「どっか泊まるところ探そう。」 とか 言うのが筋なのに、どうしていいのかわからず そのまま放置して帰ったのです。

「根本が間違っている!」

そこで彼を教育することになり、興味ある女性にアタックする策をいろいろ練ることに。

タイミングよく松山で落語会があるので、文面考えてやるからLINEで落語に誘えという指示を出したのです。

「僕は落語が好きです。なぜ好きかというと、落語には落ち(オチ)というのがあるからです。一緒に落語を見て、僕と恋に落ちませんか?」

ざっとこんな文章。

でも彼はその秀逸なLINEを送らなかったのです。

理由は断られるのが嫌だったから・・。と言う。

こうなったら再度教育です。

飲み会の席で、仲間が彼女へのLINE文を考え、私が監修することになりました。

「こんなんでどうーでしょう?」

手渡された草食系男子のスマホの画面はLINEのアプリが立ち上がっていて、脈々と彼女への想いとお食事の誘い文章が打ち込まれていました。

「うん、いいんじゃない!・・ほれ!」

送信ボタンを押してから草食系男子にスマホを戻したのです。

「ええっ~ ホントに送っちゃたんですかぁ~。」

彼は流れで文章を打ち込んだけれども、送るつもりはなかったとのこと。

「恋には勢いが必要なんだ!」

うなだれている彼に叱咤激励を送る私。

この草食系男子に幸せあれ。

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