もうひとつの『八日目の蝉』

八月の蝉

なぜ精神的に弱いんだろうと思う時があります。

スポーツは当たり前、ドキュメンタリーテレビなど懸命に生きている人を見ると涙が出てしまう。

しかも一瞬ではありますが、声に出してしまうのです。

『ううっ!』

特に最近多いような気がするのです。

先日、仲間と一泊二日の岡山にゴルフ旅行に出かけました。

初日のプレーが終わった後、予約していたレストランで他愛もない話で盛り上がり、二次会でとある銀行支店長ご推薦のお店へ。

ここで抜群に歌のうまい女性がいたのです。

松田聖子さんの 『赤いスイトピー』 を 画面に流れる文字を追いかけながら聴いていたら、あまりの上手さに歌詞の内容に入り込んでしまったのです。

「♪ な?ぜ?、つき合った日から?、半年たつのにぃ? あなたってぇ? 手も握らない? ・・・」

女心 と 情景 が 重なり合ったその時、『ううっ!』 と声とともに涙が出る。

「♪ こころのぉ?岸辺にさぁ?い?た?、赤い?スイ?トピィ?」

彼女の歌の世界にすっかり入り込んでしまい、スタンディングオベーションをする私でした。

・・・翌日。

昨夜の盛り上がりの話をしながら、その日もゴルフ。

天気は二日続けて快晴で、風なく、寒くなくの絶好のゴルフ日和。

ということは、私のプレーにも拍車がかかり、今年の中でも上位のスコアが出そうな雰囲気が・・。

仲間も、「おいおい!」 「今日は一味違う」 と口にするようになった、残り3ホールの時でした。

「あっちに見えるのが、小豆島の土庄です。」

ゴルフ場から瀬戸内海が一望でき、キャディさんが教えてくれたのです。

・・・小豆島の土庄!?・・・

キャディーさんの言葉に動揺したのは、とある場所で、とある事件があり、最近その容疑者が小豆島の土庄で逮捕されたことを知ったから。

その事件のことも、容疑者のことも 私の記憶の中の近いところにありますが、小豆島とは無縁といっていいほど遠い関係でした。

小豆島の土庄で逮捕って、まるでテレビドラマ・映画にもなった直木賞作家・角田光代さんの小説 『八日目の蝉』 のようです。

逮捕とか、連行なんて言葉は遠い世界で使うものと思っていただけに、そのニュースは私のとってかなりの衝撃になりました。

・・・あそこに住んでいたんだ・・・

『ううっ!』

目の前に映っている美しい小豆島を眺めながら、いろんな思いが交錯し、ついつい涙がポロリ。

そのおかげで残り3ホールのゴルフは、後を引きずってしまいました。

精神的に強くならねば・・。

夏の匂い

今朝会社に出勤していると、複数の小学生がどこかに遊びに行こうとしているのを見ました。

・・・そうか、まだ夏休みか・・・

8月の終わりですが、子供たちはまだ夏休み期間中。

毎日暑い日が続いていますが、私はお盆を過ぎると夏が終わったように思えるのです。

なんとなくお祭りが終わるような雰囲気が心のどこかで漂います。

その雰囲気には、懐かしいとか、切ないとか、みなさんそれぞれに持っていると思います。

それが人だったり、匂いだったり、風景だったり。

1か月前のことです。

愛媛県松山市にある ひめぎんホール という大きな会場で、老人施設を併設している病院関係者6000人が集まる全国大会がありました。

その大会の幹事をしている先生から電話があり、会場でタオルを販売してほしいと依頼がありました。

あまりイベント販売には参加しないのですが、弊社(ウチ)の産業医をお願いしている先生の頼み事だったので断るわけにもいきません。

そして3日間のタオル即売が始まったのでした。

猛暑も重なり、全国から集まったお医者さんや看護師、介護士の多くのみなさんにタオルを買っていただきました。

予想外といってしまうと怒られそうですが、お昼ご飯を食べる間がないぐらいスタッフ3名で販売フル稼働でした。

その中で、「このタオル私持っている。」 と声をかけてきた女性が。

年のころなら50歳ぐらいでしょうか。

数年前にその女性のお子様が、修学旅行のお土産に弊社(ウチ)のドット柄のタオルを買ってきてくれたそうです。

子供からのお土産はとても嬉しかったこと、今日そのタオルと同じモノが目の前にあったので、今度は私が子供のために同じタオルをお土産に持って帰りたいと言って、お買い求めになられました。

弊社(ウチ)のタオルが、家族の思い出になっていることを伝えられ、タオルを作ってきてよかったと心から思ったのでした。

ついでにもうひとつ・・。

メンバーになっているゴルフ場の8月の月例会(試合)で、なんと私が優勝しました。

その時に手にしていたタオルもドット柄。

お互いのお土産に同じドット柄のタオルを買って行かれたあの親子からチカラをもらったおかげだと思います。

2017年の夏、みなさんはどんな匂いがありましたか?